貸し切りバスとトラックの違い
6月28日の朝刊新聞に気になる記事が掲載されておりました。
「貸し切りバス運賃引き上げ 国交省、8月にも公示」
国交省は貸し切りバス事業者が設定する運賃の目安となる「公示運賃」を引き上げる方針です。
人件費や軽油価格の上昇を反映させる意図があります。
国交省の試算では10~20%程度の値上げ率に設定するようです。
公示運賃は安全運行に必要なコストなどを確保するため、原価を基に国が定め基準額の+30%から-10%の範囲内で事業者が運賃を届ける仕組みです。
バス事業者が適正な利益を得られるように促すことが目的。
バスは乗客の人命に直結するので安全確保の観点から公示運賃のなす理由は理解出来ます。
しかし、バスと同じ管轄である国交省であるがトラック業界にはシビアな一面が感じられます。(他の省庁との絡みも要因のひとつ)
2020年に国交省は「標準的な運賃」を定めるも浸透しない現状があります。
理屈的にはバスの「公示運賃」と同様な理論に基づくものだと私は思うのです。
トラックの積載物が貨物だからでしょうか?
公道を走ればトラックもバスも交通事故のリスクは同じはずです。
営業用トラックは日本の経済や国民生活にとって血液を運ぶ動脈と言われておりますが、社会一般からの評価が低いのは事実です。
バス同様に運行コストアップによりトラック業界が疲弊しており、「標準的な運賃」よりはるかに低運賃で運行している事業者が多いのは事実である。
この現状を国(政府)に訴え配慮を求めたくなる運送事業者の社長は私だけでしょうか?
バスの運転士(ドライバー)とトラックドライバーでは不謹慎であるが、トラックドライバーの交通事故死が圧倒的に多いと思われます。
事業者数、運行距離、運行形態などの違いなどありますが、共にドライバーの尊い命には変わりありません。
物流2024年問題や慢性的なドライバー不足、高齢化など運送業界の課題は山積しております。